比留間運送(株)伊奈平産廃処理工場(以下「伊奈平工場」と略す)では、可燃産業廃棄物の焼却及び廃プラスチックの破砕処理等を行なっており、これら産業廃棄物中には重金属類や有機フッ素化合物等が含まれている可能性があることから、その環境への影響を把握するため、伊奈平工場の敷地に面した公道に設置された公共枡(公共溝渠)に堆積している汚泥及び工場敷地と公道との間の側溝に堆積している汚泥を採取して、重金族類については東京農工大学農学研究院物質循環環境化学部門の渡邉泉教授研究室において、また、有機フッ素化合物(PFAS)については京都大学大学院医学研究科原田浩二准教授(当時、現在は京都府立大学大学院生命環境科学研究科食環境安全性学教授)にそれぞれ依頼して分析を行なった。
有機フッ素化合物(PFAS)分析結果
【関連投稿】
●facebook
・比留間運送伊奈平工場周辺の深刻な公害問題と土壌汚染。(2025.10.16)
投稿者: fujitoshi2023
活動報告(10/19)
●2023~2024年度 活動報告
1 比留間運送伊奈平産廃処理工場周辺における環境汚染調査
比留間運送伊奈平産廃処理工場調査団では、産廃処理工場の焼却炉及び廃プラ破砕工場からの周辺への影響調査の一環として、2024 年2 月11 日(日)、東京都武蔵村山市伊奈平比留間運送産廃処理工場周辺の側溝汚泥及び針葉樹、広葉樹の葉っぱを採取し、検体試料を東京農工大府中キャンパスの東京農工大環境毒性学研究室(渡邉泉教授)にて分析を実施していただきました。その結果は、2024 年6 月7 日(金)に環境毒性学研究室にて報告をいただきました。(参考資料1,2)
2 10.4 環境省との意見交換会の開催
2024 年10 月4 日(金)、比留間運送伊奈平産廃処理工場調査団では、山形県上山市の「山形県の環境と観光産業を守る会」の方、世田谷清掃工場の松葉ダイオキシン調査を継続して実施しておられる世田谷区の住民の方、そして情報公開クリアリングハウスの方とご一緒に、大河原雅子衆議院議員による環境省との意見交換会に出席をさせていただき、以下のような項目について意見交換を行いました。環境省の出席者は別紙です。
2024 年10 月4 日
廃棄物処理法に関する環境省への質問事項
廃棄物処理法の改正を求める市民の会(準)
呼びかけ人 藤原 寿和
1 廃棄物処理法に係る各種文書の開示について
Q1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則第5 条に定める精密機能検査結果について、全文の公開を義務付けるべきだと思いますが、一部の地方自治体においては部分開示しか行っていない実態が散見されます。これは法令の本来の条文の目的及び趣旨から黒塗りもしくは白塗りは不適切だと思いますが、見解を明らかにしてください。
Q2 前項と同様、廃棄物処理施設の事故等に関する情報についても全文公開を原則とすべきであると思いますが、見解をお伺いします。
Q3 廃棄物焼却施設(エネルギー回収施設及び溶融施設を含む。以下同じ。)の排ガス中の水銀濃度については、排出基準値が設けられましたが、その計測結果については、ダイオキシン類と異なって公表が義務付けられてないと思いますが、その理由についてご説明をお願いします。
2 廃棄物処理法の改正について
Q4 廃棄物の焼却処理や埋め立てによる最終処分について、環境省では、将来的に(2050 年)禁止となるロードマップを描いていると理解していますが、間違いはないでしょうか。
Q5 前項の質問について、一定の猶予期間をおいて、出来る限り速やかに法令を改正して施行されるべきであると思いますが、いかがお考えでしょうか。それが出来ないとすればなぜなのか、理由を明らかにしてください。
Q6 廃棄物焼却施設からの排ガス中におけるダイオキシン類の測定頻度の増加及び常時モニタリング装置の設置を欧米アジア各国の取り組みと同様、日本においても義務化するべきではないかと思いますが、なぜ施行されないのか、その理由を明らかにしてください。なお、国際的には 200 近い都市で、廃棄物焼却施設にダイオキシン類の常時モニタリング装置の設置とそれによるモニタリングが義務付けられています。
Q7 廃棄物焼却施設からの排ガス中の有害金属類の規制について、現在の廃棄物処理法では水銀のみ排出基準が設定されていますが、欧州EU のように複数の有害金属類についても法規制を行うべきではないかと思いますが、ご見解を伺います。
(説明)
①一般廃棄物の焼却については、山形県上山市の川口地区エネルギー回収施設の操業に伴い、有害金属類による広域の環境汚染とそれに起因すると思われる健康被害が近隣住民等に見られることから、実態把握調査を環境省が山形県及び上山市並びに事業主体の広域事務組合の連携で行うとともに、排ガス中の有害金属類の法的規制を少なくとも EU 規制に準じて義務付けるべきである。
②産業廃棄物については、東京都武蔵村山市伊奈平で操業している比留間運送㈱伊奈平産廃処理工場(中間処理)においても同様に工場周辺環境が有害金属類で著しく汚染されており、それに起因すると思われる近隣住民に深刻な健康被害の発生が見られることから、一般廃棄物同様、産業廃棄物についても破砕・圧縮及び焼却処理については規制を行うべきである。
Q8 水質汚濁防止法及び大気汚染防止法による直罰規定並びに都道府県及び政令市や中核市の条例による上乗せ及び横出し規制条項の新設が必要であると思いますが、ご見解を伺います。
3 廃棄物焼却施設による環境汚染と健康被害の立証について
Q9 廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の排出が問題となった際、環境省では埼玉県所沢の産廃焼却施設や大阪府能勢町の一般廃棄物焼却施設の周辺住民の陰膳調査を実施した結果、ダイオキシン類の耐容一日摂取量を超過するおそれがあることから、このような焼却場周辺の地域住民は要観察が必要な集団(ハイリスク集団)であると発表されたことがありました。今回の山形県上山市の一般廃棄物焼却施設及び東京都武蔵村山市伊奈平の産廃処理工場からの重金属汚染と近隣住民の健康被害との因果関係については、その立証(挙証)責任を事業者及び規制指導監督権限を有する都道府県知事及び政令市長等並びに国民の健康を守るための共同連帯責任があると考える国(環境省等)が責を負うべきであると思料しますが、どの様な見解をお持ちでしょうか。
以上

3 10.7 都議会議員「産廃処理工場の重金属汚染問題」勉強会の開催
10 月7 日(金)、都議会議員の漢人あきこさん(グリーンな東京)の呼びかけで、午前10 時から都庁議会棟2 階談話室3で以下の勉強会が開催されました。
① 問題の概要について
藤原寿和さん(化学物質問題市民研究会代表)
② 周辺土壌の調査結果と評価、重金属汚染について
渡邊 泉さん(東京農工大学教授 著書「重金属のはなし 鉄、水銀、レアメタル」) *オンライン
上記勉強会に先立って、漢人議員は東京都に対して、以下の質問書を提出していただいています。
武蔵村山市の産業廃棄物処理施設の重金属汚染について
武蔵村山市伊奈平の比留間運送が運営する産業廃棄物処理施設について、その排ガス等による周辺環境の汚染と、それによる被害がこの間、繰り返し問題になり、武蔵村山市議会でもたびたび取り上げられてきました。この問題で、今年6 月に示された東京農工大学環境毒性学研究室の調査結果では、処理施設周辺の側溝汚泥から亜鉛、カドミウム、鉛などの重金属が高濃度で検出されています。
こうした事態を踏まえ、以下、質問します。
1 都は以下について把握していますか。また、それぞれどのような対応を取っていますか。都が取るべき、あるいは取ることができる可能性のある対応について法的根拠とともに示してください。
ア 以前から周辺への重金属汚染が指摘されてきたこと
イ 昨年9 月の武蔵村山市議会で東京農工大学環境毒性学研究室による土壌検査によって高濃度の重金属汚染が確認されたことが指摘され、市が「都と連携して対処する」と答弁したこと
ウ 今年6 月に示された東京農工大学環境毒性学研究室による調査結果
2 2014(平成 26)年度に当該施設の排ガス中ダイオキシン濃度が規制基準を超え、都からの改善指導がなされたと聞いています。
ア 規制違反の内容とそれに対する指導、改善の経緯を示してください。
イ 同施設の排ガス中ダイオキシンは、この年以外にも基準をこそ越えなかったものの一貫して高い濃度が確認されています。焼却施設の能力、安全対策、維持管理にかかる課題が懸念されます。ダイオキシンを含む排ガス対策について、この間、都として指導した経緯があれば示してください。
3 排ガス対策の他、同施設の維持管理に関して都が行った改善指導があれば、その概要を示してください。
4 排ガス中の重金属類について、法令・条例で定められている規制があれば、その概要を示してください。
5 産業廃棄物処理施設としての現在の許可状況を伺います。また、昨年 12 月のダイオキシン検査が、「故障のため」延期となり、その後、操業停止状態にあると聞いています。経過と現状を伺います。
6 事故報告書を開示請求したところ、3 年前には写真・図面等もすべて開示されたにもかかわらず、2023(令和 5)年 6 月 26 日の開示ではほぼ非公開(白塗り)となっています。その理由を伺います
活動報告(2024 年 2 月 11 日)
比留間運送伊奈平産廃処理工場の周辺環境影響調査の一環で、2 月 11 日(日)、調査団 のメンバー3 人で午後 1 時 30 分から 5 時 30 分まで約 4 時間にわたって、比留間運送産廃 処理工場の建物群と隣接するダイエー店との間の市道にある側溝に設けられた 13 箇所の枡に 溜まった汚泥と、ダイエー側の針葉樹の樹木の葉っぱを採取しました。
その検体試料の 30 数項 目の重金属を含めた金属元素の分析は、東京都府中にある東京農工大農学院物質循環環境 化学部門の渡邉泉教授の研究室で分析を行っていただくためにお送りしました。
なお、当日の採泥等の採取状況は、動画チャンネル「環境健康調査」をご覧下さい。 調査を行ったエリアの概略図を以下に掲載します。

腐敗STOP通信(バックナンバー)
天目石要一郎氏の比留間運送産廃工場周辺の公害に関する通信のバックナンバーです。
◆ますます深刻に!産廃工場焼却炉のばい煙被害!(2020年秋)
◆一向に改善しない「ばい煙被害!」、ただちに土壌調査を!(2022年秋)
◆ダイエー横の産廃工場の土壌分析の結果、強毒性元素が!(2023年秋)
◆ダイエー横の産廃工場から、ダイオキシン類も!(2024年新春)
比留間運送のダイオキシン類調査が中止に!
比留間運送公害問題調査会のみなさま
さきほど、市から、来年2月2日の比留間運送伊奈平工場のダイオキシン類調査が
中止になると連絡を受けました。(⇒環境部事務連絡書)
投入装置の不具合などによる大規模修繕をしていて、2月2日には稼働の再開の見込み
が無いとの理由です。
先日、藤原さん、上田さん、高橋監督にいらしていただいて、比留間運送の周りを実地
見分しましたが、その時には焼却炉の修繕をしているようには見受けられませんでした。
また、3か月も再開の見込みなく、焼却炉の修繕をしたというのも比留間運送問題を
追及し始めて初めてです。
令和5年度のダイオキシン調査を中止ということは、年度内には修繕が終わらないと
いうことと思えます。
投入装置の不具合という、取ってつけた理由で、このまま、伊奈平工場の焼却炉を廃炉
してくれれば良いのですが。
12月19日 天目石
活動報告(12/9)
12月9日(土)、市民科学研究室の上田昌文代表理事のご協力を得て、比留間運送㈱伊奈平工場の操業によって発生する大振動の測定を行うための準備作業を行ないました。
午後1時、玉川上水駅に藤原、天目石要一郎武蔵村山市議会議員、高橋玄監督が集合し、天目石さんの車で武蔵村山市伊奈平3-27-2所在(図1)の有限会社タケローズを訪問。まずは、代表の佐藤健朗さんの案内で作業所内の様子と比留間運送伊奈平廃棄物処理工場の周囲を歩いて周辺の立地状況や環境状況などを目視により調査を行ないました。周囲は工業地帯であり、熱処理事業では70年の歴史を有する多摩冶金㈱の新工場(写真1)や自動車や農機具用の高強度ボルトの製造および販売を行う㈱佐賀鉄工所多摩営業所などの工場の他、比留間運送と市道を挟んでダイエー武蔵村山店や民家などが混在した地域です。

外回りの確認を終えてタケローズの作業所に戻り、室内の振動計測器iPhone8(写真2)を設置する場所の確認と、計測器の取り扱い方について上田さんからご指導をいただいてこの日の事前準備を終えました。


大学では生物学を専攻。市民科学研究室の前身である「科学と社会を考える土曜講座」という名の市民による研究・学習グループを1992年を発足させて、科学技術関連の社会問題への取り組みを開始。2003年~2006年に科学技術社会論学会の理事メンバー。2005年~2007年に東京大学「科学技術インタープリター養成プログラム」特任教員。2010年~2018年に恵泉女学園大学で非常勤で「市民と環境政策」を担当。2013年~2019年に高木仁三郎市民科学基金・選考委員、2014年~2016年に科学技術振興機構(JST)サイエンスアゴラ助言グループメンバーなども務める。市民科学研究室は 2017年度「科学技術社会論・柿内賢信記念賞 特別賞」を受賞。各地での講演や大学でのゲスト講義や雑誌連載の執筆など多数。クラシック音楽と古本屋めぐりと子どもと遊ぶことが大好き

令和5年度環境保全のあらまし
令和5年度(令和4年度実績)の環境保全のあらましが武蔵村山市のHPで広報されています。その中で比留間運送㈱の排ガス中のダイオキシン類濃度の測定結果が示されていますが、結果表示だけです。実は年々深刻な状況です。

比留間運送㈱の平成30年度か ら令和4年度までの測定結果は、0.52~7.9ng-TEQ/㎥ N (TEQ は等価換算 濃度、N は大気の標準状態のノルマル0℃、1atm 気圧を意味します)です。ダイオキシン類 対策特別措置法で廃棄物焼却炉に適用される排ガス中のダイオキシン類の基準は、比留間 運送㈱の焼却炉の焼却能力が毎時 2 トン未満の炉について既設炉(法律施行の平成 12 年 1 月 15 日以前に設置され稼働しているもの)に適用される基準は、表の基準値の欄に記載さ れている10ng=TEQ/㎥ N とされているので基準は満たしているものの、同じ既設 炉の日本医療衛生サービス㈱の測定値0.097~0.37と比べても相当高い濃度で排出されていることがわ かります。
また、そもそもに日本の基準が特に欧州の基準値(新設、既設や焼却能力の規模 に関わらず一律0.1ng=TEQ/㎥ N であることと比べるならば、日本のダイオキシ ン類対策特別措置法の定める基準自体が相当緩いことが問題です。欧州の基準の0.1と比 べるならば、比留間運送㈱の排ガス濃度は最大で79倍も高いことがわかります。比留間運 送㈱の焼却炉は直ちに焼却停止の措置が講じられなければならないことになります。
【参考添付】
1.武蔵村山市『環境保全のあらまし(平成28年版)』解説
2.焼却炉による健康への影響
活動日誌(11月17日(金))
11月17日(金) 午後2時に佐藤健朗さん、天目石要一郎さん、岩崎秀人さんと千代田区湯島にある「市民科学研究室」市民科学研究室 – Citizen’s Science Initiative Japan (shiminkagaku.org)に代表の上田昌文さんを訪問して、調布の外環道地下トンネル工事/地盤改良工事に関する振動・騒音・低周波音の測定についてご教示をいただきました。振動測定器の中古iPhone8を格安料金で購入させていただけることになりましたので、入手出来次第、比留間運送伊奈平廃プラ処理工場での振動測定を行う予定です。上田さんには一度武蔵村山の現場にお越しいただいて、具体的な測定の技術的なご指導をいただけることになりましたので、よろしくお願いします(藤原記)
【参考】市民科学研究室のHPより、中古iPhone8を用いた振動計測について
